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「接客方法だ?」
「そ! ありゃ、客に対する態度じゃなくねえ? 機嫌は取らねーわ、もてなしはしねーわ、てめえ主役ってな調子で脚組んでさ。あれじゃどっちが客だか分かんねえじゃんよ。他の奴らがあんな接客したら大目玉食らうぜ。ま、そんなんでも客に不自由しねえってのが逆にすげえっつーか……とにかく見たこともねえやり方だから確かに興味はあったってこと!」
「は――、それで俺を見てたわけか」
少々残念そうにしながらもいきなりソファから起き上がったと思ったら、あっという間に至近距離にまでにじり寄られて、波濤は焦ったように肩をすくめた。
「俺はてっきり、んー、俺自身に興味持ってくれてんのかーって、期待してたんだけどな。――残念だ」
少々呂律の回らない声で投げやりに言う。
酔っているのか――?
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