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(催淫剤か――!?)
龍は素速くその意をくみ取ると、
「一番近いのは……ここからだとホテルzhuque《ヂゥーチュエ》だ! 急いでzhuqueへ着けろ!」
運転手にそう伝えた。帝斗には後のことを任せて、後続車で先に店へと戻ってもらう。そして助手席では、龍に忠実な男が運転手にテキパキと指示を出す。ここへ来る時にも同様にいろいろとナビゲーション役をしていた男である。
「老板、ホテル最上階のプライベートルームを開けておくように伝えました。風呂もすぐに使えるように致しましたが、他に何か必要なものはございますか?」
男は後部座席の龍にそう訊きつつ、運転手には『駐車場へ入ったら専用エレベーターで車ごと最上階へ』と指示を出した。
ホテルzhuqueというのは、龍、もとい氷川白夜が経営している企業のひとつである。波濤が拉致されていた場所からは車を飛ばせば五分と掛からない位置だ。
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