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最上階のペントハウスは、経営者である龍のプライベートスペースとなっている。宿泊客の駐車場とは別に、車ごと登れる専用エレベーターが備えられていて、誰とも会わずに最上階へと着けられる仕様になっている。龍がホストになる前には、経営状態などの視察で、月に数度は寝泊まりに使っていたこともある部屋であった。
そして龍のことを”老板”――つまりはボスという意であるが、そう呼ぶ助手席の男は何者なのか。波濤はおぼろげな意識の中で懐かしい広東語の混じった会話が、脳裏の奥深くでこだまするかのように余韻となっていくのを不思議に感じていた。
◇ ◇ ◇
部屋に着くと、龍と波濤を残して助手席の男と運転手の男は下がっていった。
とにかくは波濤を催淫剤から解放してやることが何より優先だ。龍は彼を姫抱きするように抱え上げ、ベッドルームへと連れて行った。
「何も心配するな。ここには俺とお前だけしかいない」
波濤をベッド上へと寝かせると、間髪入れずに彼のスラックスを剥ぎ取った。
よほど我慢していたのだろう、波濤の下着はぐっしょりと濡れて大きな染みがスラックスまでを湿らせていた。その先走りの液の量を見ただけでも、彼がどれほど辛かったのかが手に取るようだ。
「何も考えなくていい。俺に任せてお前は感じたままにしていればいい」
龍はとびきりのやさしい声音でそう言うと、刺激を避けるように濡れそぼった下着を丁寧に脱がせた。
「……やっ、は……、ああああッ……!」
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