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Red Zone
唇を重ね合わせた瞬間から嬌声まがいの吐息ががこぼれ出してしまうのを抑えられない、とめられない。
顔を交互にするのもまどろっこしくて、キスだけじゃ到底足りなくて、次へ次へと欲しがることをやめられない。
こんなくちづけをしたのはいつ以来だろう、もしかしたら初めてなのかも知れない。
時に少し強引で、だがとびきり素直で甘やかで、何気ない仕草の端々に雄の色香を漂わせているような男。同僚ホストであり、今ではナンバーを競い合う龍の腕に抱かれながら、波濤は大胆なほど欲に身を任せていた。
同僚ホストの龍と深い仲になってから、彼の住むこの部屋を訪ねるのはもう何度目になるだろうか、初めの内は何かに託けながら通っていたこの部屋。ナンバーワン同士、もう少し懇意になっておいた方がいいんじゃないかと半ば強引に誘われたのが始まりだった。
その次は酔ったから家まで送ってくれないか――その次は何だったか、いつの間にか押し切られるような形でここへ来ることを、心の片隅で待ち焦がれるようになってしまった。
会うのにいちいち理由などいるのだろうか、そんな疑問すら湧かなくなるほどに今では彼にハマってしまっている。
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