0人が本棚に入れています
本棚に追加
辺りの風が冷たくなり始めた夕暮れ時、そいつは現れた。
オンと名乗るそいつは、黒猫の私とは真逆の、真っ白な猫だった。
他に違うところと言えば、私がメスで、そいつがオスという事くらい。
「泊めてもらえませんか」
オンはそう言って、恐る恐る覗き込んできた。
「別に、私の家って訳でもないわ」
そう言って、拒絶しないでいると、オンは私の横に座った。
「寒いから、寄り添ってもいいですか」
丁度寒かったし、それもいいかなと思った私は、怯えたような顔で見つめるオンの横に、自分から寄り添った。
最初のコメントを投稿しよう!