訪問者

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 辺りの風が冷たくなり始めた夕暮れ時、そいつは現れた。  オンと名乗るそいつは、黒猫の私とは真逆の、真っ白な猫だった。  他に違うところと言えば、私がメスで、そいつがオスという事くらい。 「泊めてもらえませんか」  オンはそう言って、恐る恐る覗き込んできた。 「別に、私の家って訳でもないわ」  そう言って、拒絶しないでいると、オンは私の横に座った。 「寒いから、寄り添ってもいいですか」  丁度寒かったし、それもいいかなと思った私は、怯えたような顔で見つめるオンの横に、自分から寄り添った。
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