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何故
あれから、夜が二十回ほど訪れたくらいの時。
「じゃあ、またお魚持ってくるね」
そう言ったオンに、私は少しいじわるしたくなった。
「私、牛乳が飲みたいな」
「えっ?」
オンは、少し困ったような目をした。
暫く黙った後、オンは私に向き直った。
「分かったよ。牛乳だね。その代わり、僕が来るまで、絶対にここから出てはダメだからね。絶対だよ」
「うん。分かったわ」
意地悪を言ったのには訳がある。
私はどうしても知りたかったのだ。
オンが、どうしてここまでしてくれるのか。
オンが、どこから食事を持ってくるのか。
オンが、どうやって牛乳を運んでくるのか、を。
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