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僕が実家で暮らしていた頃、家には2匹の猫がいた。
ドラとチョビヒゲ。
さっき言ったチョビヒゲと、
ドラというのは黒に灰色の縦縞模様の入った毛並みの猫だった。虎柄で、そして暴れん坊のドラ猫だからドラ。
どちらも安直なセンスで母が決めた名前だ。
ちなみにこの2匹は母子である。
母親がドラ。その子供がチョビヒゲだった。
あれは僕が高校生の頃だろうか。
ドラが病気になった。原因は不明だが、胃をやられたらしく、何も食べれなくなった。
一応、病気は治ったのだけれど、もう先が長くないのではないかという話だった。
仕方がない。
ドラはもうすぐ10歳になる。
すこしずつ元気がなくなっていて、最初の頃のドラ猫ぶりは、もう感じられなくなっていた。
そこでドラに子供を産ませることになった。
飼い猫がいなくなるのも寂しいので2代目を、ということだった。
3匹の子猫が生まれた。
2匹は知人の家に貰われていって、そうして残ったのがチョビヒゲだった。
さてライオンは自分の子供を千尋の谷に突き落とす、なんて話があるけれど、ライオンもネコ科、猫もネコ科であるなら、きっと彼等もそういう本能を持って生きているんだろう。
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