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2匹を飼い始めてしばらく、急にドラがチョビヒゲに冷たく当たりだした。
寄って来るなと威嚇をすることは毎日で、家に帰ってこなかったりということも度々あった。
一人立ちを促したい。そういうものなのだそうだ。
そうはいっても、どちらかを追い出すことなどできない。
2匹とも家に居着いていることは確かなのである。
そもそも心配されていたドラの余命だが、チョビヒゲが生まれてからドラはむしろどんどんと元気になっていって、昔のヤンチャぶりがよみがえってきたようにも思えた。
2匹の生活スペースをはっきり分けることになった。
そうして2匹を飼うことにした。
僕が大学に進学し、家を出たのはちょうどその頃だった。
だからその後のことは、あまり知らない。
2年ほど前から、ドラは目が利かなくなっていったそうだ。
だんだんと耳も。
それから鳴き声が小さく、掠れるようになり、1年前には、ついに歩くことができなくなった。
チョビヒゲに対する冷たい態度は全く無くなっていたらしい。
チョビヒゲはまるで介抱するように、ドラの毛並みをよく舐めて整えてやっていたそうだ。
ドラが死んだ日も、だ。
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