理想の萌えシチュ

5/13
68人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
 「んなわけないじゃん、やめてよ! だーれが、あんなラグビー馬鹿! 私が好きなのはねぇ、細マッチョでイケメンちょいSな王子様タイプなの。倫子だって知ってるでしょ」  「そんなこと言いながらも、なんか最近仲良くなってんじゃーん」  鏡に向かって真剣な顔つきでビューラーで睫毛をくるんとカールさせてから顔を上げ、うりうりぃーっと肘で押すような仕草で倫子が調子づいてくる。ここはちょっと、脅しておくか。  「誰のせいで、そうなってると思ってんのよ!   とぉーもぉーこぉー、もう一緒に待っててやんないよぉ!!」  眉を寄せ、倫子を睨み上げる。  「うわっ、ごめんごめんっっ!!もう言いません言いません言いませんからぁーっ!! お願いします、付き合ってよー!!」  「どぉしよっかなぁー」  倫子は片睫毛だけ上がった状態で私に向かってビューラーを持ったまま両手を合わせた。  ふふっ、かなり動揺しておるな、よしよし……
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!