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そう言いながら、再び真理愛をじっと見据える本城の目は、何かの意志を込めるかのように、キラリと輝いていた。真理愛はその目を見て、何か胸の鼓動が速くなり、まともに見つめ返せないような不思議な感触を覚えていた。
「まず、俺たちの組織は、SG社や政府が言っているような、暴力的な集団ではない。もちろん見ての通り、武器は所持しているけど、これはあくまで、自分たちの身を守るためのものです。政府の理不尽な『ゲリラ狩り』から、皆を守るためのね」
本城のこの言葉もまた、「嘘はない」ように真理愛には思えた。しかし、今朝のニュースでも見たように、実際ゲリラの集団が、食料庫を襲ってたりしているのは事実だ。ゲリラの組織にも色々あって、ここは比較的「平和主義」の組織だということだろうか……。真理愛がそんな疑問を抱くのは想定していたようで、本城はそれを踏まえて話を続けた。
「今朝もニュースで報道されていたけど、ああいった襲撃事件なんかは、実は政府側がやってることなんです。政府の機関が直接手を下してるんじゃなくて、何者かに依頼してるとは思いますけどね。俺たちゲリラを『悪者』に仕立てあげるために、いかにもゲリラがやったように見せかけて、ああいう事件を起こしてるんですよ」
この本城の言葉に、真理愛はさすがに驚きを隠せなかった。政府が、あんな襲撃事件を……? それはとても、スンナリと受け入れられる話ではなかった。政府側が仕組んだ、ってことは。SG社も、その襲撃に絡んでるってことなの……? 「SG社の重役の娘」である真理愛にとっては、「意外な話」以上の違和感を感じずにいられなかった。
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