序章

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私は綾瀬さくら。 18歳の華の女子高生。JK クラスのみんなが放課後にすることといったら、部活、カラオケ、SNS、インスタばえのものを探すことだけど、私はそんなことには興味はない。 自分で言うのもなんだけど、成績は優秀でスポーツ万能。 中学では剣道の都大会で優勝している。 クラブからの入部の依頼は多いけど、私にはやりたいことがあるの。 放課後は父親が経営している綾瀬探偵事務所を手伝っている。 まだ、事務所の受付や電話番、事件の報告書や書類整理だけで、探偵業はやらせてくれないけど、将来は父親と探偵業をしたいと思ってるの。 (お父さんは私が探偵業をやることに反対しているけどね) 父親は元警視庁捜査一課出身で、ある事件をきっかけに、警視庁を辞めて、探偵事務所を開業している。 今でも、警視庁との繋がりは強く、警視庁からの協力依頼で裏で捜査協力をしている。 母はその事件で亡くなり、現在は父と二人で生活をしている。 家事も仕事も二人で協力して、いいチームだと思っているの。 今から話すのは、私が父親な内緒で行なった放課後の探偵業のお話。 電話が鳴る。 父親が英語で話している。 さくら「誰から?」 父「…ああ…FBIのマークからだよ」 さくら「FBI!!」 父「昔、日本での捜査を一緒にしたことがあってな。さくら、しばらく父さんはアメリカに行ってくるよ」 さくら「アメリカ!!FBIの捜査協力するの!すごい!私も行きたい!」 父「ダメだ。学校があるだろ。それに危険だからダメだ」 さくら「お父さんだけ、ずるい」 父「しばらく、父さんは家を留守にするからな」 さくら「どれぐらいかかるの?」 父「3か月かそれ以上になるかわからないな」 さくら「そっか…」 父「父さんがいない間、危険なことはするなよ」 父親がFBIの捜査協力のためにニューヨークに行っている間、私は留守番を頼まれていた。 私もアメリカに行きたいってゆったけど、危険だからと連れてってはくれなかった。 「決して事件に首を突っ込まずに、電話番と過去の書類整理だけをやる約束」と念押しして出て行ったけど、電話番と書類整理だけではつまらない。 今から話すのは、私が父親に内緒で解決したお話。 今日も綾瀬探偵事務所には、たくさんの依頼が舞い込んでくる。
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