Robotech Touchdown ーロボテック タッチダウンー

EP0 Start Game

『ボールは一度下がってクォーターバックのレオールに渡ったああ！ ロングパス狙いか！？』

　実況の予想は正しく、レオールは機体を弓なりにしならせながら投擲フォームに入る。そのまま長い腕を使って遠心力を加えながら相手のクォーターライン目掛けてボールを投げる。

　放物線を描きながらそれは真っ直ぐ狙い通りの場所に落ちる。落下地点には誰もいない。
　地面に落ちてスクラムかと思われたが、自陣フィールドの半分(ハーフライン)から赤いラガーマシンが飛び出してボールをギリギリのところでキャッチした。

　そのままラガーマシンは相手陣地を高速で走り抜ける。

　ラガーマシンは、風が通り抜けていくようにディフェンスの網をくぐりながら着実にエンドゾーンとの距離を縮めていく。

『速い！ 速いぞぉ！ ランニングバック最速と呼ばれる機体の名は伊達じゃない！』

　そしてランニングバックポジションのラガーマシンの前に、最大の敵が立ちはだかる。そのラガーマシンはディフェンスよりも一回り大きく5m半程。
　フルバックという、最後の砦を成すポジション。サッカーに例えるならゴールキーパーである。