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「なるほど、それじゃ……えっと、何とかシステムはどういう機能なんですか?」
「ACシステムと略して呼んでおくれ、簡単に言えば機体を自分の身体のように扱うものじゃ、別の言い方をすればラガーマシンになるじゃの」
それは本当に大丈夫なのだろうか。
宇佐美だけでなく、側で聞いていた上那枦夢も、眉をひそめて訝しげな表情を浮かべながら義晴をじっと見つめている。
流石に疑わしいのか、枦夢が口を開いて苦言を呈した。
「ACシステムについては私も監督から聞いております。実用化が近いとも、しかしそれでも疑念は払拭できません」
「ふむ、では彼を乗せるなと?」
「それは彼が決定する事なので、そこまでは言いません。ですがもし彼が乗ると決めたのなら、まず私が乗って安全性を確認させて頂きたい」
「枦夢!!」
枦夢の背後から、同じチームメイトと思われる選手が声を張り上げながら近付いてくる。
細身で黒縁眼鏡をかけた知性的な青年だった。ずかずかと大股で歩いて威圧するように枦夢の肩に手を掛ける。
「話は聞いていたぞ、得体の知れないシステムに乗って万が一の事があったらどうする!?」
「一応明日お披露目する予定だったんじゃがのぅ」
という義晴のボヤキが聞こえた。
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