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「これに乗れば、走れるんです。この足じゃできない事ができるんです! 杖を使わずに、両手を思いっきり振って走れるんだ! たとえ本物の足じゃなくても、機械の足でも! 僕は、走りたい!」
言い切る。乱れた呼吸を整えながら周囲を見ると、皆ポカーンと間の抜けた表情を浮かべていた。
ただ1人、枦夢だけは表情一つ変えずに宇佐美の肩に手を置いて。
「よく言った。テストは任せろ」
と安心させるように言った。
だが宇佐美はそれを拒否する。
「いえ、その必要はありません」
枦夢はその言葉の意味をよく熟考し、一言「いいのか?」とだけ呟く。
宇佐美は「はい」とだけ返した。
「九重会長、僕をハミルトンに乗せてください」
「ありがとう、その言葉を待っていた」
こうして、上原宇佐美はラガーマシンに乗り込む事が決定した。
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用語解説
Assimilate Consciousness System……略してACシステム、トーラムマインド社が開発した新しい操作方式である。
従来のレバーやペダリングによる操作ではなく、意識をラガーマシンに移して文字通り自身の身体として操るシステムである。
これにより、柔軟で戦術的な動きが増える事になった。
しかし、パイロットの体力を大幅に奪ってしまうという弱点がある。
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