EP1 Preparation Start ⑤

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 ――――――――――――――――――――      エンドラインとボール、フィールドをキョロキョロと眺める宇佐美を横目に、枦夢はチームメイトのカールと通信を試みる。  カールとは、先程枦夢がハミルトンに乗ることを止めようとしたあの眼鏡の青年である。   「どう思う? カール」   「ブースター等の加速装置を使えば時速80kmぐらい簡単にだせるさ、だが素の状態でやられると、脅威としか言い様がないな」   「見たところハミルトンにはブースターが付いている。あと10か20は上がるとみていいだろう」   「時速100kmか、思えば今迄無かったな、スピード特化のラガーマシンは」   「面白い」   「枦夢?」   「少し勝負してみる」   「お前な」    カールの呆れた声を無視して、一方的に通信を切った枦夢。彼は目の前に立つ強敵になりうるラガーマシンを見つめてほくそ笑んだ。    ――――――――――――――――――――      一方、ハミルトンをモニターしているトレーラーでは予想外のデータに戸惑っていた。   「前よりも出力を上げているとはいえ、まさかここまで速くなるなんて」    オペレーターの驚きが義晴に伝わった。       
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