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「お前のプレイは初心者にしては目を見張るものがあった。もう少し見ていたいが、残念ながら今日はもう時間のようだ。ここまでにしよう」
枦夢が言い終わってから数秒後、試乗会終了を告げるホイッスルがフィールドに鳴り響いた。
宇佐美は、はぁと息をついて、その場で大の字になって寝転がる。
ラガーマシンに乗っている状態では、汗で濡れた身体をひんやりとした風が通り抜けて冷やしていく、あの心地良さを感じられないのが残念で仕方ない。
そもそもカプセル内の宇佐美本人は汗をかいてるのかどうかわからないが。
久しぶりに、誰かとスポーツで競った。手も足も出なかったけど、呼吸が乱れるくらい全力で身体を動かせて楽しかった。
そして、素人の自分を親切に潰してくれた上那枦夢は、宇佐美にとって憧憬の的となっていた。
「凄いなあ、上那さん。僕もあんな風に……なれるかな」
それは右足不随になってから初めての、上原宇佐美が心の底からなりたいと願った夢であった。
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用語解説
ランニングバック……バックスポジションの一つ、所謂ポイントゲッターであり、チームで最速又は、最強のプレイヤーがそのポジションにつく。
サッカーで例えるならFWの役目にあたる。
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