40人が本棚に入れています
本棚に追加
「後日御家族へ説明するために伺わせてもらうよ」
「はい」
その日はご飯を食べて風呂に入った後、泥のように眠る事になる。
両親と姉は宇佐美が高級車に送られて帰って来た事に興味津々なようで、1階の自室に戻るまでひっきりなしに質問攻めして煩わしい事この上ない。
姉に至っては風呂に乱入してきた始末だ。
――――――――――――――――――――
一週間後。
宇佐美は義晴に、美浜市の外れにあるラフトボールチームのフィールドへと連れてこられた。
先週試乗会を行ったあのフィールドとはまた別である。
「ここにチームメイトがいるんですか?」
「そうじゃ、既に着いてる筈なんじゃがのう」
義晴はスマホを取り出してどこぞへと掛ける。おそらくはそのチームメイトだろうが。
その時、宇佐美のスマホにもメッセージが届いた。母と姉からである。
姉からは「ファイト!」と書かれていた。母からは「葱買ってきて」と。
「この2人……」
数日前、家族への説明のためにトーラムマインド社の人間がやってきた。
その時この2人はとんでもないことを口走ってしまったのだ。
「息子を是非よろしくお願いします。何でしたら童貞ももらってください」
最初のコメントを投稿しよう!