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「だめよお母さん! 宇佐美の童貞はお姉ちゃんが貰うんだから!」
「どちらでもいいわ、オホホ」
正直全力で殺意が湧いた。
まだその怒りが冷めやらぬ宇佐美が、2人のメッセージを既読スルーするのは当然といえよう。
チームメイトはまだ来ないようだ。
数分後。
「おお来おったわい」
義晴が目を向けた先、フィールドの反対側から2人組が歩いてくる。
否、1人と1台だ。
「あ、君は」
その1人は先週宇佐美とぶつかったあの少女であった。今日は藍色のジャカードカーディガンでクルーネックTシャツを覆い、テーパードパンツとブーツという出で立ちだった。
宇佐美はお洒落だなあという印象が強くて圧倒されてしまう。
「あなたがお祖父ちゃんが言っていた宇佐美君ね、よろしく、私は九重 祭、そこにいるお祖父さんの孫よ」
孫だったのか。
しかしどうやら向こうはこちらを覚えていないらしい。
「はい、よろしくお願いします。上原宇佐美です」
続いて今度は前に出会ったバイクのようなロボットが前にでる。
こちらは特に変わりはなく、しいていえばちょっと泥が跳ねてることぐらい。
「うぃっす! 自分はクイゾウっす。また会ったっすね」
「あっはい」
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