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こちらは覚えてくれていた。
「あら、あんた達知り合いなの?」
「知り合いっていうか、先週お嬢がぶつかったあの少年すよ。まあお嬢の足りない頭じゃ忘れてるかもっすけど」
「ああ! 思い出したわ! あの時の……その、ごめんね、ほんとに怪我とかしてない? あとクイゾウは後でスクラップな」
「はい、何ともないので大丈夫です」
「そう、それは良かったわ。何かあったらいつでも助けになるから言ってちょうだい」
「お気遣いありがとうございます」
「まあこんな感じで、お嬢は胸が薄くて短気っすけど、仲良くして欲しいっす」
「あぁ、はい」
「お前まじでバラすぞ! 手始めに一週間ガソリン抜きにしてやるわ」
「ちょっ! それじゃ電気食わなきゃじゃないっすか! 電気だけは勘弁して欲しいっす! ヘルシー過ぎて合わないんすよ!」
「知らないわよそんなの! そもそもあんたいつもガソリンをばかばか飲みすぎなのよ!」
1人と1台のコントを背にして義晴は宇佐美の肩にポンと手を置いた。
「それじゃ、あとは彼女達に聞いておくれ」
「はあ……あの、他のメンバーは?」
当然の疑問である。周りをよく見渡しても人の気配はあらず、また誰かがやってくる気配もない。
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