EP1 Side Story

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「油断していた。あれはただ速いだけではない。戦いの中で試行錯誤をしておそろしい早さで強くなっていた」   「才能……の一言で片付く話ではないな。きっと伸び代が大きいんだろうなあの子は」   「はい、おそらくすぐにでも我々と同じフィールドに立つようになるでしょう。ランニングバックとして」   「ほう、つまりスプリングランドにか?」   「今年は無理でしょうが、来年からはきっと」   「面白いなそれは」   「ええ、それから……」   「どうした?」   「いえ」    急に歯切れの悪くなった枦夢を訝しむカール、彼の視線を気にするでもない枦夢は宇佐美との戦いを思い起こしていた。   (まるで炎と戦っているようだった)    ハミルトンの赤い残影を残して疾走する様は、太陽の表面で暴れるプロミネンスのよう、そして正面から受け止めようとすると、ハミルトンが大きな炎の濁流に見えてくる。   (炎の……ランニングバックか)    ふとそのような単語を思い浮かべた。何ともチープな二つ名だと思うが、得てしてハミルトンと宇佐美を的確に表してるように思えた。      ――――――――――――――――――――    用語解説       
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