40人が本棚に入れています
本棚に追加
舌打ち一つ、嫌味な男に関わることわりはないので無視を決め込む。
「まあ下等市民は同じ下等市民と戯れるのがお似合いですがね」
「おうおう好き勝手言いおるやないかワレぇ」
とうとう我慢できなくなったのか、武尊が漣理に詰め寄る。
健二も頭にきていたので止めるつもりはない。必要なら殴り飛ばす所存だ。
今年はまだ一度も停学処分をくらってないから大丈夫だ。
「事実でしょう? あなた達みたいな野蛮な市民は、ロクに歩けない足でまといと一緒にいるのが当然。
しかも聞こえたところによるとラフトボールを始めたとか、あんな足ではまともにペダリングもできないでしょうに。あなた達よりはマシかと思いましたが、身の程も弁えられない愚か者だったとは、最早市民ですら呼びたくありませんね」
「ペラペラとよお喋るやないか! 歯ぁ食いしばれや!」
「流石の俺もカッチーンときたわ」
指をポキポキと鳴らしながら二人は臨戦態勢を整える。脳裏に暴行障害や停学処分等の文字が浮かんでくるが、特に問題はない。
対して漣理は二タニタと薄ら笑いを浮かべてこちらを見つめている。
わざと殴らせて停学させようというのだろう。いつもの事だ。
一触即発の空気が充満し、爆発寸前のところまでくる。
最初のコメントを投稿しよう!