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EP2 Obtaining License ③
「免許とんのか」
「うん、今週末から」
ひと騒動終えた後、そのまま2組の教室で昼食をとることになった。宇佐美は近くの空いてる席に座って姉が作った弁当をつついている。
「ほおお、すごいやん。せや! ワイらも取ろうや免許!」
目を輝かせながら武尊が告げる。今確実に「ワイらも」と言っていた、つまりそれは健二も含まれている。
「俺もかよ」
「ええやん」
正直健二はラフトボールに興味等微塵も無い。ラグビーぽいスポーツをロボットで行うぐらいの知識しか持ち合わせていないのだ。
ゆえに興味もないのに免許など普通は取ろうと思わない、例え武尊が誘ってきてもだ。
だが今回は違う、最初に免許を取ると言い出したのは宇佐美なのだ。
それだけで、健二の中に謎の焦燥感が募り始める。
ゆえに。
「そうだな、俺もやるわ」
と気づけば賛同の言葉を述べていた。
「ほんとに!? じゃあ一緒にやろうよ、九重さんには僕から伝えておくから」
「ほな頼むわ」
「おう」
この時、なぜ自分も一緒に行こうとしたのか、その理由はよくわかっていない。ただ自分だけハブにされるのが嫌だったから、とりあえずその時はそう思う事にした。
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