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実際は気付いている本当の理由に蓋をして。
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週末、宇佐美と健二と武尊は美浜市から数キロ離れた山間部に来ていた。
車と違ってラガーマシンはぶつかり合ったり転んだりしてなんぼ、その衝撃や音は騒音被害になりかねないので、ラフトボール関係のフィールドのほとんどはこうして人里から離れている。
「で、何でてめぇがいんだよエセ貴族」
「それはこっちのセリフですよ下等市民」
健二達が通う事になった教習所には、何故か南條漣理がいた。
偶然か必然か、はたまた神様のイタズラか、とにかく健二にとってこの教習所は不愉快な空間へと変わっていった。
しかも席が隣同士という嫌がらせつきとなれば怒りもこみあげよう
「ねぇ、宇佐美君……この人達仲悪いの?」
二人の後ろの席には宇佐美と祭が座っている。
祭が隣に座る宇佐美に耳打ちをする。
「そうかな、仲良さげだと思うけど」
「マジで? 私には犬と猿に見えるわ」
犬猿の仲と言いたいのだろう。
因みに祭と健二と武尊の紹介は既にすんでいる。最初は宇佐美が祭を連れてきた事に健二と武尊の二人が大層驚いていた。
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