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「はい! 姿勢です」
「よろしい、やるな上原」
どうもバレていたらしい。
「ラガーマシンは走る時、特に姿勢へ気をつけなければならない。当然と思うだろ? その通りだ。
だが初心者は足の動きに気を取られて上半身の固定が疎かになる。ラガーマシンは自分の体ではない、ロボットだ、だから姿勢制御は自分で行う必要がある。
どれだけの角度で固定するかは個人によるし、プロのラフトボーラーの中にはあえて上半身を揺らしてステップする者もいる。その辺は練習して身につけてくれ。
最初のうちは人間で言うところの背骨を固定する事を意識した方がいい、そうすれば安定した走りが可能となる」
宇佐美は必死に今言われた内容をノートに納めていく。
ラフトボール初心者にとってはありとあらゆる情報が必要となる。取捨選択出来るほどの知識量がないからだ。
3日目も同じく座学。この頃になると健二や祭はほぼほぼ寝落ちすることが多くなってきた。
平日ゆえに学校帰りだからというのもあるのかもしれない。
真面目に聞いているのは宇佐美と漣理、あとラフトボール大好きな武尊とクイゾウ等のモチベーションが高い生徒ぐらいだった。
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