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EP0 Start Game
『リップスタック走る! ラインとは思えないほど速い!』
実況を背に、特殊繊維強化ゴムに覆われたフィールドを鋼鉄の巨人が駆け抜ける。
長さが1m近くもある楕円形のボールを右の二の腕と肘を使って固定し、胸のあたりでキープしつつ左手でカバーしながら走る。
リップスタックと呼ばれる赤い巨大ロボはチームの勝利のため、相手チームのエンドゾーンへと向かっていた。
巨人の進路を阻むため、黒いカラーリングの巨大ロボが左前方から迫ってきた。こちらは4mなのに対し向こうは5m。当たれば確実にこちらが押し倒されて密集陣形に持ち込まれるだろう。
速度を落として回避も難しいと判断した赤いラガーマシンは、振り返って後ろへボールを投げる。
ボールはすぐ後ろを走っていた同じチームのラガーマシンへと渡された。
そのラガーマシンもボールをキャッチして直ぐに後ろへ投げて、フィールドを4等分した線の所で待ち構えているラガーマシンへと渡る。
そのラガーマシンは他のラガーマシンに比べて腕が長く、人型とは言いにくかった。
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