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EP1 Preparation Start ②
近付けば近付く程、そのラガーマシンに圧倒されていく。さっきの展示場でみたラガーマシンの方がずっと大きく、圧巻なのだが、これはそれらとは違って見えた。
間近に並ぶと自分の頭は股間部分に届くかどうか、しかしそこまで近付くと足回りがよく見える。
太いのだ、太腿は盾のようなものが貼り付いているし、膝とふくらはぎと踵の所は特に頑強な造りになっているらしく、鍛え上げられた黒人アスリートのようだった。
反面、上半身は細く……という事はなく、コックピットがあるらしい胸部はおそらく一番硬くて分厚い鎧で守られており、鎧の肩部分は大きく盛り上がって全体的にアンバランスな外観、背中には肩まで突き上げるようにブースターが取り付けられている。
きっと点火したら炎が羽根のようにみえるだろう。
「……お前どうしてここにいるんだ?」
ボソッとラガーマシンに語りかけても答えるはずもない。
何故こんなにも気になるのか、当然恋ではない、おそらくはシンパシー、自分と近いものを感じたからだと思う。
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