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EP1 Preparation Start ③
宇佐美の目の前に聳え立つ赤い巨人は、ラガーマシンを見慣れてない者に相当な威圧感を与えてくるが、不思議と宇佐美には心弛びとなっていた。
「ハミルトン……九重会長、どうして僕のためにここまで?」
「このハミルトンはの、Assimilate Consciousness Systemというものを搭載しているんじゃが、いかんせん出来上がったばかりで実機データが足りないんじゃよ」
「はぁ……つまり、僕にテストパイロットをやって欲しいという事ですか……」
「そういう事じゃよ、無論強制はせん。説明もせずに強引に連れてきてしまったのは事実じゃしの。帰るというなら往復の交通費と僅かばかりの慰謝料を出させて貰おう。
しかし、
もし乗ってくれるのであれば、給金と新しい景色をプレゼントしよう」
「安全性のほうは信用していいんですよね?」
「既に何百回と実機で操縦しておる、副作用も何も無いぞ。強いて言えば疲れやすい事ぐらいじゃ。
そして、言い方は悪いが、上原君のような身体障害者が搭乗した時のデータが欲しいのじゃ」
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