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慌てて真人に電話をする友里。
『友里!』
ワンコールで真人が出た。
『すまなかった。会ってちゃんと話がしたい』
「とりあえずいいわ、その件は!」
急いで車のリモコンキーを押して開錠すると車に乗り込む。
『どうした?!』
「奈々が、奈々が~!!」
友里は動揺して泣き出した。
『奈々がどうした!』
「お迎えに行ったらいないの~! 美由紀さんが、あの女が連れてったの~! 直ぐに説得してぇ~! あぁあぁ~!」
『何だって?!』
「あなたがあんなことするからよ~! あぁああぁあ~!」
取り乱している友里。
『連絡をしてみる。落ち着いてくれ友里。ただ連れ出して遊んでいるだけかも知れないし! 今どこだ?』
「何のんきなこと言っているのよ! 何でかばうのよ! これは誘拐よ!」
『今どこだって言っているんだ!』
「幼稚園の駐車場よ!」
『分かった。気をつけてまず家まで帰って来てくれ! 僕も行く!』
泣きながら友里は震える手で車のエンジンを掛けた。
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