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『どういうつもり? 何でそんなことしたの?!』
「いつまでも奥さんが離婚しないからよ! 軽い脅しよ」
『ううっ・・・うっ・・・』
電話越しに泣いているマーメイ。
「何よマーメイ・・・」
『もうあなたを守りきれない・・・ううっ・・・』
「え・・・?」
『今日局長から最後通告を受けた。逃げてメイヨウ・・・。このことがバレるのも時間の問題。今その部屋には監視カメラがあるの・・・』
「・・・!」
辺りを見回すメイヨウ。
『長谷川さんも・・・消される・・・うっ・・・』
「ええ?!」
その時、佐々木の携帯電話が鳴った。
表示は真人からだった。その電話に視線を落とし考え込むメイヨウ。
『銃は持ってる?』
「うん・・・」
『逃げてメイヨウ! もうだめ、逃げて!』
「・・・・・・」
メイヨウは電話を切って呆然とした。
「おねえちゃん、もうひとつでんわがなってるよ~」
奈々がメイヨウのグレーのスカートの裾を引っ張る。
「・・・・・・」
突っ立ったまま、メイヨウは動かない。おもむろにその携帯電話に手を伸ばした。
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