1・決戦(前編)

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「真人さん・・・」 『美友さん? 奈々はいるのか?』 「うん・・・いるよ。一緒に遊んでた・・・」 『大丈夫か?』 「元気だよ。声聞かせるね」 『違う、君だよ。君は大丈夫か?』 「奈々ちゃん、パパだよ。電話に出て」  真人の言葉を無視して言うメイヨウの後に、 「なぁにパパ」  と電話を代わる奈々。 『おー奈々。美由紀お姉ちゃんと遊んで待っててね。パパとママが迎えに行くからいい子にしててねー』 「うん。でもみゆきおねえちゃんじゃないおねえちゃんだよ」 『え? じゃあそのお姉ちゃんと待っていてね。代わってくれる?』 「はい」と電話をメイヨウに渡す奈々。 「今マンションにいるから・・・」 『分かった。奈々を頼むね。分かるんだね、麻美さんじゃないこと』 「うん・・・。ごめんなさい、真人さん」 『いいんだ。じゃあ直ぐ行く』  電話を切った真人。 (美友さんが調査に行った斎藤さんたちと会わなければいいが・・・)  嫌な胸騒ぎがしたが、友里と落ち合う自宅へ自転車で目指した。
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