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「わぁすごーい!」
屋上に出ると喜ぶ奈々。
「見て奈々ちゃん、夕日がキレイだね~」
「ホントだぁ」
メイヨウは奈々の手を引いてペントハウスに向かう。
「ここが秘密基地だよっ」
「みゆきちゃんちのうえにあったんだぁ」
「そう。スゴイでしょ?」
機械室の鍵を開けるメイヨウ。めったに来る用事は無かったがメイヨウも鍵は持たされていた。そして通信室の鍵を開けた。
「ホラ見て~」
「うわ~! ホントにひみつきちだぁ!」
興奮する奈々。
「機械に触っちゃダメだよ。秘密司令本部に繋がっちゃうからね」
「うん、さわんない」
手を後ろに引っ込めた。
「じゃあ、奈々ちゃんはここに隠れていて」
と机の下に奈々を誘導するメイヨウ。
「どうして?」
「悪者たちが秘密基地を狙っているんだよ。お姉ちゃんが入口で守っているから、パパたちが来るまで待っていて。動いちゃダメだからね」
「うん!」
男の子たちがやっている戦隊ものの遊びと同じだと奈々は思っていた。
ショルダーバッグからトカレフを取り出すメイヨウ。マガジンを取り出し弾丸を確認する。マガジンは装填された物をもうひとつ持っていた。
(8発×2で16発ね・・・)
エレベーターで見た男たちがここに来ることは分かっている。機械室入口で待機した。
(3人か・・・余裕よ。殺ってやる、全員殺ってやる!)
階段を昇ってくる足音が聞こえた。
(来た!)
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