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斎藤たちが屋上に顔を出したその時、
〝パンッパンッ!〟
2発の銃声と共に公安警察の男が後ろにふっ飛んだ。
「あっ!」瞬時に前に飛んで伏せる斎藤。
男は額と胸を打ち抜かれていた。
「うあっ!」しゃがみ込む調査官の男に、
「伏せろ藤田!」と叫ぶ斎藤。
「銃を抜け! 彼は銃を持っている、それを寄こせ!」
斎藤は公安警察の男を指した。
ほふくで死体に近づく藤田。スーツの上着をめくるとホルダーに入れられた拳銃が見えた。あわててそれを抜くと斎藤の方へ投げて転がした。
その藤田はメイヨウから丸見えだった。
〝パンッ!〟
という音と同時に藤田の頭部から血が飛び出した。
「くっ!」
斎藤は拳銃を手にするとペントハウスの裏手にほふくで進む。
(スゲェ腕前だ。どうにも出来ない!)
ペントハウスの裏手まで辿り着いた斎藤。
「おい、やめろ! 子供はどこだ!」と叫ぶが返事は無い。
全く動くことが出来ない。
「ここの通信室は日本は関係ない! 公にもならない! 我々は感知しないからもう止めろ!」
(よし・・・)
メイヨウは相手が公安だと確認した。
(これから来るのね)
弾数が気になるメイヨウ。
(ユウ局長は何人寄こすのかしら)
その時、
「奈々~!」と真人の声が聞こえた。
続けて「奈々~! ママよ~!」友里の声も。
と同時に「キャーッ!!」と死体を見た友里の悲鳴が聞こえた。
(真人さん!)
メイヨウがピクッとする。
「長谷川さん伏せろ!」
ペントハウスの方から斎藤の声が聞こえた。
「斎藤さん! 無事か~!」
「何よ?! 何なのよ!」混乱して絶叫する友里。
「友里は入口に戻れ!」腰を低くして友里に叫ぶ真人。
日が落ちて薄暗くなってきた中、「ママ~! ママ~!」と奈々の声が聞こえた。
「奈々~!!」友里が半狂乱になって叫ぶ。
「どこよ! 奈々はどこなのよ~!」
真人にしがみ付く。
「ダメだ友里、下がれ!」
真人は周囲を警戒しながら友里を後ろに引いた。
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