2・決戦(後編)

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「メイヨウ! しっかり意識を持って! 私を見て!」  この血の量では助からないことを悟ったマーメイ。 「病院に連れて行くぞ!」  真人は首に巻いていたマフラーを傷口に押さえ込む。 「無理よ長谷川さん、私たちはもう・・・」  何かを言いかけたマーメイに、 「そんな状況じゃないだろ!」  と真人が怒鳴る。 「それよりメイヨウのそばにいてやって。ずっと抱いてやって・・・」  マーメイの瞳から零れ落ちる涙を見て言葉を失う真人。 「美友・・・」  優しくメイヨウを抱き締める。 「お姉ちゃん・・・今までごめんなさい。いつも・・・守ってくれてありがとう・・・本当は私、お姉ちゃんが大好きだったんだよ・・・」  力なくマーメイに微笑みかけるメイヨウ。 「知ってるよ・・・うん、ずっと知っていたよ」  メイヨウの髪を撫でて微笑み返すマーメイ。 「真人さん、いてもらえて嬉しい。ありがとう・・・黙ってたけど・・・」 「うん・・・何だい・・・?」  真人はメイヨウに顔を近づける。 「私のお腹に・・・赤ちゃんがいるの・・・」 「ええ?!」  驚く真人とマーメイ。  真人は不意に涙を浮かべ、そっとメイヨウのお腹に手を当てた。 「そうだったのか・・・」  ぎゅっとメイヨウを抱き締める。 「フフッ・・・」  微笑むメイヨウの息が細くなってきた。  様々な夢が頭の中を巡る。  真人と海で散歩をしたかった。  ウエディングドレスを着たかった。  でも今、こうして真人の腕の中にいる。  それが嬉しかった。 「あっちで私がちゃんと育てるから・・・。私は幸せよ、お姉ちゃん」  優しくマーメイは頷く。 「ずっと前に手紙で言ったでしょ、メイヨウ。あなたは私。あなたがいなければ私はいないの。すぐに私も逝くから待っててね・・・」  マーメイの涙がメイヨウの頬に落ちた。 「うん・・・ソウハにも会えるね・・・」  と微笑むと、静かに息絶えたメイヨウ。 「あぁあああぁ~っ!」  メイヨウに抱きついて泣き叫ぶマーメイ。 「うっ・・・うっ・・・」  その二人を抱く真人の瞳からも涙が零れ落ちた。
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