2・決戦(後編)

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 マーメイはメイヨウを抱きかかえると、ゆっくりと歩き出した。 「麻美さん、どこへ?」 「最後の任務があるの・・・」 「え?」 「ここはもう存在してはいけない。証拠を消さないと・・・」  メイヨウを引きずるように両腕で抱えてペントハウスへ向かうマーメイ。 「工作員たちが来るわ。長谷川さんもターゲットなの。早く逃げて」 「じゃあ麻美さんは?!」 「言ったでしょ? 私はメイヨウだけを逝かせられない。いつも私たちは一緒だったの。それを分かって!」 「そんなこと言うな!」  怒鳴る真人にマーメイは振り返って微笑む。 「長谷川さん、友里さんと奈々ちゃんをしっかり守って・・・」 「あ・・・」  真人はマーメイの意思は曲げられないことを悟った。  ペントハウスの階段をゆっくりと上るマーメイ。 「これで全てがリセットされるわ。私に会う前の日常に・・・」 「・・・・・・」 「エレベーターは止まってしまうから階段でそのまま下へ逃げて!」 「うっ・・・」  涙が溢れる真人。 「早く!」  真人は息を吸うと、 「さよなら麻美さん!」  ドアの前に立つマーメイに叫ぶ。 「さよなら長谷川さん、いや真人さん。妹をありがとう!」  ニコリとした瞳に涙を浮かべて機械室へ消えていくマーメイ。
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