2・決戦(後編)

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 マーメイはメイヨウの亡骸を床に静かに寝かせると、爆弾をセットし始めた。机から粘土状のC4爆弾を取り出すと、そこに起爆剤となる電気雷管を差し込む。次に電気ポットのコードをニッパーで切断し導線をむき出しにして雷管に突っ込んでテープで固定した。そして延長コードをコンセントに刺しこんで持って来た。これで延長コードに起爆剤のコンセントを刺し込めば室内は全て爆破できる。自分もメイヨウも跡形もなく消える。機械室のエレベーターまで破壊しないようC4は2kgほどに調整した。  マーメイはユウ局長に電話をした。 「局長、モニターを見てください。メイヨウは死にました。公安も全員メイヨウが片付けました。これから通信室を爆破します」  と監視カメラに目線を送るマーメイ。 『そうか・・・。ご苦労だった』 「そこでお願いがあります」 『何だ』 「長谷川真人を逃がしてやって下さい。彼は何も感知していません。担当の公安もメイヨウも死んだことで接点は無くなりました」 『しかし、君との接点はどうなる?』 「私の命と引き換えの条件です・・・!」 『何を言っているマーメイ。君は死なれたら困る! その必要は無い』 「約束してください!」 『わ、分かった。だがマーメイ、早まったことをするな!』  マーメイは電話を切った。  肩で大きく息をするとメイヨウの傍らに座り込む。  後ろの壁にもたれて目を閉じた。  両手にはコンセントを用意してある。  様々なことが思い出された。  幼い頃のマーメイとメイヨウ。  ソウハのこと。  二人の確執。  数奇な人生だった。  しかし今思い出すのは楽しかったことばかり。  不意に涙が溢れ出した。  それは止まらないものとなって止め処なく溢れた。 〝そんな時にまた一緒に  またみんなで会えたなら  すべての悲しみは吹き飛んで  リセットされた明日がはじまる〟  メイヨウとソウハと唄った歌を口ずさんだ。  思い出の曲『またみんなで』だ。
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