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複数の足音が聞こえてきた。
5、6人はいるだろうか、何やら話している。
ペントハウスの階段を上がってきた。
バタンと機械室のドアを開ける音がする。
そして通信室のドアが開いた。
「!」
男たちが6人入って来た。
倒れているメイヨウを見てギョッとする。
「メイヨウは? 死んでいるのか?」
傍らに足を伸ばして座るマーメイに話し掛けた。
「ええ。あなたたち長谷川真人を逃がしてやって」
「それはダメだ」
「ここを出ろマーメイ。機材を全部処分する」
「その必要は無いわ」
とマーメイはコンセントを見せる。
「ハッ!」
次の瞬間〝ドーン!〟と音を立てて通信室が爆発した。
ユウ局長が見ていたモニター画面も消えた。
「あぁあっ!」
それを直視したユウ局長はガックリと肩を落とした。
テレビでの報道はタワーマンションの機械室で火災。マンション内の消火栓からの消火で済んだというニュースだった。死者がいたという報道は一切無かった。この処理には公安調査庁と公安警察が最初に入ったため、地元警察や消防は内部の様子など知る由も無かった。
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