2・決戦(後編)

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「寂しいんでしょ? どうしようもなく心が痛むんでしょ?」  友里は真人の目を見た。 「・・・・・・」  図星だった。真人は正直な反応をしてしまっている。 (今僕はどんな顔をしているだろう) 「死んでしまったんだよ。死者に対してそんなこと言うもんじゃない」  友里から目を反らしボソリと言った真人に、 「そうね。私が何も知らないドラマがあったのよね。その時の私は何なの? その時に真人君の中に私はいたの? 奈々はいたの?」  あれ以来初めて友里がものを主張した気がした。 「そんな余裕無かった・・・」 「そうでしょうね。あの人たちは一般の世界の人じゃないもんね。それさえ教えてもらえないけど・・・。あの人たちと真人君だけの秘密だもんねっ」 「・・・・・・」 「話って探偵辞めるってことだけだったの?」 「あ、いや」 「さっきから黙ってばかりじゃない」  真人は言う決心をした。 「じゃあ言うね」 「え?」 「もう僕は普通でいられない」 「・・・何よ」 「君は全く何も悪くない。全面的に僕が悪い」 「・・・・・・」 「この家も親権も君のものだ。養育費も払う」 「真人君、何? 離婚したいの?」 「したいんじゃなくて、僕がもう誰かと暮らすことができない」 「・・・・・・」 「駄目なんだよ。君に落ち度は無いのに僕が限界なんだ!」  声を荒げて頭を抱える真人。 「すまない友里・・・それを考えてくれ。君にとっては天から石が落ちてきたようなもんだよ。だけどこのままなら君をもっと傷付けてしまいそうな気がして・・・本当にすまない・・・」  真人は顔を伏せたまま篭った声を絞った。
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