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友達の恋人(その2)
修一はひろ子にいつも電話していた。結構仲良かった。ある日、修一はひろ子にバイクでツーリングに行った。しかしあいにくの雨だった。まるで二人の恋を試しているような冷たい春の雨だった。目的地まで二人ともずぶ濡れになった。ひろ子は自作お弁当を作ってきた。うぶな修一は、胸がときめき初めて女性をバイクに乗せた。初めてデートをした。胸がときめき過ぎてしかも雨だったし、感無量の修一はお弁当が口に入らなかった。ていうより恋が修一には覆いかぶさっている。バイクの集合管マフラーの音。ひろ子の声。
(どうしてお弁当食べてくれないの?お腹すいてないの?)
(えっ!)
それ以上に返す言葉が見つからない修一だった。君といると胸いっぱいとは言えずにいた。
(
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