友達の恋人(その6)

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

友達の恋人(その6)

僕は桜を見つめている。淡いピンク色がなぜかひろ子に見えるのはどうしてなんだろう。17歳の春はいつもと違う。満開の桜は風に吹かれて散っている。僕には僕の生き方があると思うだが結果は進歩してない自分。多感期な青春も想い出もよく分からない。ただ修一の隣にはひろ子がいる。好きって感情よりも好きだって想う勇気と出逢いが必要に思われる。修一とひろ子の恋を見つめているだけの春。いっそうのことひろ子の友達を紹介してもらった方がまだましだ。しかし、もし紹介されても上手く話せる事も出来ず、きっと今の自分には無理だと思う。ドラマや漫画のようにはいかないと恋に奥手。いや誰だって人生には壁がある。高い壁に負けてしまっている。自分を探しをしている自分。淡いピンク色の桜は何にも言わず散っていく僕の人生のように。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!