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「本当は高校でもバスケをしたかったんですけど。・・・膝をやってしまって・・・。だから高校ではマネージャーをやろうって決めてたんです。だけど、実際に入学したら色々と迷いも出てしまって・・・だから、逆に木下くんに背中を押された気分です!」
「そっか。志織ちゃんは元気があっていいね!それにバスケ経験者ならこっちも教えること減るから助かるよ。・・・あっ、ここにドリンク入れあるから。・・・だいたい仕事はこんな感じ」
ちょうど仕事を教わったところで、試合終了のブザーが鳴った。
「おっ?優也のチームの勝ちだ。さすがに口だけじゃないらしいね。さっ、行こうか、集合だよ。」
牧野の後について、志織も集合場所へ走っていった。
*
練習が終わり、志織は先程牧野に教わったように体育館を掃除していた。
「ご苦労さま」
練習は終わったはずなのに牧野がボールケースを押してコートに戻ってきた。
「あれ?先輩は帰らないんですか?」
牧野はにっこり微笑むと、アウトサイドシュートを打って見せた。
そのボールは高く美しい弧を描いて、リングに吸い込まれていった。
「わぁ!すごい・・・」
志織が綺麗なシュートに拍手を送ると、牧野は彼女を振り返り
「これ。五百本ね」
と笑った。
「五百っ!?今からですか??」
「そう。これやらなきゃなんだか寝つきが悪くてね」
「ふぇ~!・・・すごい」
そんなの漫画でしか聞いたことないよ・・・と、志織が感心したように彼を見ていたら、
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