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「ここは俺が掃除しとくから、志織ちゃんはもう帰りなよ。それに・・・あんまり待たせちゃ悪いよ??」
と、牧野が体育館の出口を指した。
「・・・?」
「七瀬さんがね、女の子の夜道は危険だってさ」
「七瀬さんが!?」
身を乗り出すように尋ねる志織を見ながら、牧野がクスっと小さく笑った。
「ほら、いいから早く行って!」
「・・・じゃあ、先輩今日は色々とご指導ありがとうございました。また明日からも宜しくお願いします!」
「うん。お疲れ~」
志織は牧野に挨拶を述べると、急いで更衣室に向かい、超特急で着替え、入口で待つ七瀬の元へと走った。
「七瀬さん、待っていてくれたんですか?」
「この時間の女の一人歩きは危ないからな」
七瀬は少しだけ照れたように笑った。
その顔に、志織の胸がドキンっと弾んだ。
「さて、帰るか」
「はい!あっ・・・せんぱ~い!!」
志織はシュート練習中の牧野に手を振った。
「お疲れさまでしたぁ!!お先に失礼しまーす」
「うん!お疲れさま。気を付けて帰ってね!」
牧野も手を振って応えた。
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