終わりのはじまり

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「俺も驚いたよ。まさかまた会えるのが自分の学校で、しかもマネージャーとして現れるとは思わなかった」 二人は砂浜を見つめて笑い合った。 「ずっと返さなきゃって思っていたんですけど・・・。遅くなってしまってごめんなさい・・・」 「ジャージは返してくれなくていい。って言うよりその必要はなくなったな」 「え?・・・でも」 「お前も立派な広陽バスケ部の一員なんだ。試合や遠征のときにはそれを着ればいい」 「でも、あれには七瀬さんの名前も入ってますし、私には大きすぎますよ・・・」 「ん?別にいいんじゃないか?俺は新しく作り直したし、それに少しダボついたジャージは可愛く見えるぞ?」 可愛くって・・・。 志織は緩くなる頬を両手で押さえた。 「そんな事より、俺の問題はまた別なんだ」 自分に向けられた七瀬の目があまりにも真剣で、志織は身動きするのも忘れて、その目を吸い込まれるように見つめ返した。 「・・・まだ恋はしたくないのか?」 彼の言葉に、波の音に、志織の胸の中にあの日の記憶が蘇ってくる。 彼女は本当は、最初から全て分かっていた。 ─あの日からずっと・・・気付けばいつも彼を探していた・・・─ 一人で部屋に居るときも・・・ 眠れぬ夜の夢の中でも・・・ いつも彼のことを考えていた。     
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