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中学の部活動で、バスケ部に所属していた彼女も、そんな強豪校に憧れて入学を志願した一人だったのだけど、最後の試合で怪我をしてからは、高校ではマネージャーになることを決めていた。
「七瀬さん・・・三年生かな?あたしが入学する頃には大学部に行ってるかも・・・」
ジャージを見つめながら呟いた。
胸の中に、キュッと甘酸っぱさが広がった様な気がして、慌てて首を振る。
「・・・違う!・・・もう、恋はしないって・・・決めたんだから!」
志織はまだ痛む下腹部をさすった。
この痛みが消えないうちは、次の恋に進む気になんて、到底なれそうにない・・・。
「・・・決めたんだから・・・」
もう一度呟いた。
脳裏に強く焼き付いた彼のことを無意識に思い出しながら、その腕に彼のジャージを強く抱きしめていることには気付かないままで・・・。
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