きらきらの音。

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 授業中、ついつい居眠りをこいてしまう俺にライ様はいつもこうやって俺のノート写しに付き合ってくれる。 もう何度目か、数えなくなるほどのいつもの放課後になっている。  他のクラスメイトは部活、または帰宅して、二人きり。 「──何度目かの話をするけれど、ロウはどうして眼鏡をかけているのに頭が悪いんだ?」 「何度も言うけれど目が悪いから眼鏡をかけているんすよー。これ以上頭悪くなったら困るからライにノート借りてんだろー」 「ロウがノート借りてんだロウ」  むふ、とくだらないダジャレにご機嫌なライは明日の授業の予習をしている。 教科書をぺらぺらと捲っては、俺の机に置いたノートにつるつると書き殴っていき、時に下唇を指の背でなぞっては──俺と目が合った。 「ロウ」 「は、はいっ?」
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