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けれど、うん、内緒。
「ここのスペル間違ってるぞ」
ライは知らない。
「ん? ロウ?」
また目がぶつかった。
放課後の夕日が赤く、きらきら。
ライは、きらきら、してる。
「──ん!?」
と、俺の眼鏡に人差し指が刺さった。
「言ったよな。次は指紋つけるって」
むふ、とライは悪戯に笑う。
マジでつけられると思わなかった俺は眼鏡を外してシャツの裾でレンズを拭いた。
「──やったぁ」
と、ライが呟いた。
「眼鏡なしの顏が見たかったんだ。ロウは目が綺麗だな」
綺麗な人に、綺麗と言われた。
ああくそ、眼鏡なしじゃ見えない。
するとライはずいと前のめり気味に顏を覗き込んできた。
この距離なら俺も見える。
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