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いつからいたのか、はじめからなのか、最近現れたのか。 とにかく、居る。 光が全身を通る、半透明なそいつ。 顔は整っているが、恐ろしいほど生気がない肌色。 大学生然とした服装も空気に埋もれそうなほど不確かな存在だった。 「あっ、あたしのこと分かるのね?」 じろじろ見ていたからだろうか。 そいつは俺の視線を受け止めると、話かけてくるようになった。 恐ろしさが先にたっていた俺は、何も言えなかった。 何が嬉しいのかぴょんぴょん飛び回り、顔を近づけ、観察し、口を開くそいつ。 その内、恐ろしさだけが抜けていった。 「呪っちゃうぞ~」 こいつにそんな力などない。 勝手にべらべらしゃべっていることからすると、どうやら年の頃大学生の、女子。 名前も記憶もなく、気がついたら俺の部屋にいた。 そしてとりあえず俺に話しかけているというわけ。 「ねえねえ、お話しようよー」 これがなにか異質なものであるのは間違いないし、幽霊なんか怖くて仕方なかったのに、その人間らしさから毒気が抜かれた気分。 後にはこいつに対する苦手意識だけが残った。 ーこいつは、陽キャだ。 幽霊に「陽」という言葉が適当なのかは分からないが、こいつは生前?陽キャであったに違いない。
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