第一章:新生活

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間がもたず、さらに質問してみる。 「山田さんは、なぜ、ここに来られたんですか?」 「仕事で越してきてね・・・」 「あのー、応えたくなければ別にいいんですが・・・お亡くなりになったのはココの場所なんでしょうか?」 「えぇ、2年前ですかね・・・仕事に行き詰まりましてね・・・。借金もあり、精神的にも追いつめられて・・・」 「そのような事が・・・。また、変な事をお聞きしますが・・・どのような、お亡くなり方を?言いたくなければいいんです・・・」 「いえ・・・大丈夫です・・・そこのロフトの柵、真ん中あたり擦れてるでしょ。それが、跡で・・・。そこにロープをかけて、首を・・・。 まぁ・・・その後、床のフローリングの張り替え、壁紙とかリフォームされてますし・・・ハウスクリーニングも入ってますので安心して下さい」 「はぁ・・・。」 思わず、ロフトの柵を眺めた。真ん中に擦れてるキズがある。 あの不動産屋さん、こんなこと何一つ言わなかったよなぁ・・・再度話し合いしてみるか・・・。 重い話になりそうなので話題を変えた。
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