1、私、男になる!

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 「ふん。 あんた、 避けられてるんじゃない?この時間なら学校も終わってるし、 今日はバイトがないから、 絶対、 家に居るはずよ」  「お姉さん、 ストーカーですか?」  しまった。 女性の顔がみるみるうちに赤くなる。 目がカッと見開かれ、 唇がぶるぶると震えだした。 こんなに近くで人が怒るのを見たのは、 久しぶりだ。 5歳のとき、 ママのブランドもののルージュで壁にお絵かきしたとき以来かしら。 あのときのママったら本当に怖くて…って、 悠長に昔を思い出してる場合じゃないみたい。 気が付いたときには、 女性の赤い顔が目の前まで迫っていた。
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