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 ガラス玉のような感情の欠落した気持ちの悪い目つきをしていた。  二人ともアレス共和国軍の皮鎧を着ていたが、階級章や名札は、はぎとられていた。  現役の軍人ではない。脱走兵、あるいは野盗、そんなところだろう。  パクは泥に足をとられながらマオに近づくと、刀を差しだした。  マオは片手で刀を受け取ると鞘から抜き放った。  陽の光を反射して刀身が煌めいた。 「いい刀だ。沼の底に突き刺さっていたくせに、サビ一つない」  マオは、刀身に見入った。  片刃で刃渡りは八〇センチ、細身で肉厚、反りがあり、切っ先は鋭い。刺突にも使える形状だった。  刀は頑丈さと切れ味を追求した合金製で、鞘ともども特殊な防錆加工を施してあった。  マオは、刀を鞘に納めると、当然のように自分の腰にさげた。 「マオ兄貴、大丈夫ですか? その刀、俺が触った瞬間、とても嫌な感じがしたんですが」  『思念波』をすぐに『障壁』の能力で遮断して正解だった。  パクは一瞬だけ放った俺の拒絶の感情を読み取っていた。 「テレパシストとして何か感じたのか? それとも、お前、この刀が欲しくてそんなことを言ってるのか?」  マオの目がすっと細くなった。 「ち、違います、兄貴」     
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