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僕は彼女の耳になる
僕は彼女の耳になった。
彼女の笑顔がずっと見ていたくて一緒に居たいと想った。
だから彼女と一緒に笑い続けよう、僕も笑顔を絶やさずにいよう、そう決心した。
彼女が失った聴力は戻らないけど、必ず側にいた。
手話で話す指先を絡めながらこめかみに頬を寄せ風の音を伝えた。
「伝わるかな?」
黙って頷く彼女。
(アリガトウ)手話の返事
音程が取れず喋れる事を忘れたい位恥ずかしく思う彼女に告げる。
「笑ったりしないから言葉で伝えて。」
「ありがとう」
僕は君の耳、必ず側に居る。そう言って
満開の桜の木の下でキスをした。
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